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チラシデザインと伝統音楽

鶴見オクトーバーコンサート、チラシのデザインを担当した前川愼生です。

このコンサートはオペラと声明と尺八のコラボレーションという、なんだかよく分からない不思議なものです。

チラシを制作するにあたってまず考えたのは、この異なる音楽家たちを並べたときに、違和感がないようにしたいということでした。音楽のジャンルは違いますが、「呼吸」や「息」という点で深い共通点があり、コラボレーションを通してその共通部分を高め合うというコンサートです。一体感があり、真摯で落ち着いた感じにしたいと思いました。

いくつかの案を検討した結果、イラストレーターの山下航さんにお願いし、イラストをメインにしたビジュアルとなりました。

実は私はお坊さんで、鶴見にある大本山總持寺で修行をしました。今回のコンサートでは、大本山總持寺の修行僧がゲストとして出演し、「声明」と呼ばれる仏教音楽を披露します。声明は伝統的な音楽ですが、ここで言う「伝統的」な音楽とは、古い音楽とか、過去の音楽、ということではありません。伝統的なのは「スタイル」のことで、スタイルこそが表現において最も根源的な要素です。

スタイルの中には長い歴史がつまっていますが、それを行うことは、単に過去の歴史をなぞることではありません。唱えるのは現代の人間、いま現在の修行僧だからです。これはオペラや尺八にも言えることでしょう。いずれも伝統的な音楽ですが、今日歌うことで現在の音楽です。まったく新しく歌われる音楽を聴きに、ぜひご来場ください。

前川愼生

愛知県生まれ。愛知県立時習館高校卒業。東京藝術大学先端芸術表現科卒業。曹洞宗大本山総持寺に安居。現在は愛知県東泉寺・副住職をつとめる。

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